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本日はご来場いただき、まことにありがとうございます。

ピタパタは2011年5月に、おもに私の自作戯曲の上演を目的に設立しました。
設立後すぐに今公演準備に取りかかり、今日までおよそ一年がかり。その間、出演者・スタッフはもとより、出演者の所属劇団・事務所の方々にも多大なるご協力をいただきました。心より感謝申し上げます。つくづく人は一人では生きていけぬと、殊勝なことを思っている私です。

 

今作の舞台は架空の田舎町ですが、実はモデルとなった場所があります。どこかはあえて明かしませんが、執筆にあたり、一度そこに妻を伴い取材に行きました。滝を見下ろす山頂に城跡があり、そこに先祖の石碑を建て、一族が集ったという話を、今はなき義母から聞いていたのです。
城跡へ続く道は、町の案内板には“遊歩道”と書かれていましたが、それはそれはとてつもなく険しく、もはや完全に“登山道”でした。が、頂上に着いて、私たちは知ったのです。逆ルートを登ってきたのだと。帰りは、なだらかな坂道を、二人してだらだら下ってきたのでした。

 

そうして書かれた『ジョマクノギ』は第25回名古屋文化振興賞佳作を受賞しました。2009年4月から一年間、賞の主催団体のウェブサイト上で戯曲が公開されましたが、未上演のままとなっていました。
上演にあたり、テキストに全面的に手を入れました。上演台本はロビーで販売していますので、お帰りの際、お手にとっていただけると幸いです。

 

では、まもなく開演いたします。
どうぞ最後までごゆっくり、くつろいでお楽しみください。

ピタパタ主宰 今井一隆

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